2022.02.24 | 解説

トレーニングフォームは、いきなり完成形をしない

皆さんこんにちはトータルケアラボの鳥飼です。
1週間程度、ブログの更新が滞ってしまいました。
実は、お休みをいただいてリフレッシュをさせていただきました。

今日からまた、皆さんに健康、美容、ダイエット、スポーツに役立つ情報を発信していけたらなと思っています。

今日のテーマは、「なぜトレーニングフォームの完成形を指導しないのか」について解説します。

ぜひ最後までお付き合いください。

過去の記事はこちらから見ることができます。
YouTubeもやっています。ぜひご覧ください。

まず初めに大前提のお話なのですが

トータルケアラボではトレーニングのフォーム指導で「完成形」を指導することはありません。

これはトレーニング指導では珍しいことだと聞きます。

例えばスクワットをするときも、
ベンチプレスをするときも、
いきなり教科書どうりの完成系の正しいフォームを指導することはありません。

なのでお客様の中でも、トレーニング経験者や習ったことがある方で、
トータルケアラボで指導されているフォームというのは慣れずに戸惑うと思います。


「フォームが違うんじゃないのか」というふうに感じる方も多いと思います。


なぜ、あえてフォームを変えているのか解説していきます。

結論を言えば、大切な1つのポイントだけに集中してほしいからです。

SNSで、たまに
「フォームが違うよ。フォームチェックして!」
というコメントをいただくことがあります。


とてもありがたい意見です。

フォームを簡易化しているので、フォームが違うことは知っています。

いわゆる完成形のフォーム指導というものを行うことは、僕の中ではあまり初心者指導にはありません。

「分習法」「段階的指導」と言われる指導法を採用しています。

私が指導法を学んだのは、実は水泳のコーチ時代に遡ります。

水泳を指導している方法を

そのままトレーニング指導現場で用いたり、

学生指導に用いたり、
あらゆることの指導現場で使っています。

水泳指導者からスタートした鳥飼だからこその指導技術法です。


新人時代に水泳指導法を学んだとき、「分習法」「段階的指導」を習得しました。

実は指導法には多くの手法があり、まだ他にもたくさん習いました。
「集団の中の個別指導」であったり、様々な指導ノウハウというものが世の中にあるのですが、
今日説明するのはこの2つだけになっていきます。

さて、水泳をイメージしてほしいです。

クロールを泳がせたいとなったときに、
見本を見せて、「さあやってみて」とクロールをいきなり泳がせると真似はできるかもしれません。


完成形を真似したうえで、多くのポイントがありますので、

  • 腕の回し方
  • 足の動かし方
  • 姿勢の作り方
  • 呼吸の仕方

などのポイントを付け加えていく指導法があります。

このやり方を「全体学習法」といいます。

この4つのポイント中にも、
手首はどうするのか、指はどうするのか、肩はどう動かすのか。
足首はどうなのか、膝はどうなのか。
股関節はどう動くのか。
などなど、大切なんだけど細かいポイントというものが存在します。

いきなり全体学習をしてしまうと、
この1つ1つのポイントの「なぜ大切なのか」というところが本人に実感が沸かないことがあります。

例えばベンチプレスを指導するときに、
初心者の方に指導するとき、

  • 足のつきかた
  • アーチの作り方
  • 握り幅
  • 肘の曲げ伸ばし動作
  • 手首の動き
  • 軌道


等の様々なことがポイントとして挙げられます。

優先順位をつけていく必要があります。


ベンチプレスは大胸筋を中心としたターゲットに効かせるトレーニングです。

ではポイントを絞っていくと握り方よりも、
胸の上で上げ下げする軌道と肘の曲げ伸ばしの方を正しくさせることが優先されます。

もちろん、全てのポイントが大事です。

握り方が違ってもよくありませんし、足のつきかたアーチの作り方が違ってもよくないとはわかっています。

しかし、人間は1つずつのことを時間をかけて学んでいく。

1つずつ覚えることを増やしていく。

それが学習初めには必要です。


そうした方が、1つずつの重要性というものが理解できます。

たぶんですけど、フォームが違うと気になっている時点でもう初心者ではないはずです。

トータルケアラボは初心者の方に基礎から学べることを大切にしたいと思っているジムです。


ですので、

基礎の基礎から、頭でも体でも理解していただく。

最初は寝るフォームはだいたいでいいですし、アーチもなんとなくでいいです。

足のつき方も、まずはなんとなくで大丈夫です。

まずは胸の上で、バーを上げ下げしていく。
肘を曲げて伸ばしていく。

まずはそこだけに集中をしていただきます。

なので映像を見て言っていると、ここ足のつき方が違うんじゃないか。
手の幅のクリップが違うんじゃないか、握り方が違うんじゃないか。
気になるのはわかります。

それは僕も気になっています。

しかし、指導を行っているときに
「アドバイスをするべきタイミング」というものがあります。

それが段階的指導にも直結します。

私が水泳の選手を指導していた時のエピソードをお話しします。

ある選手のコーチをしていた時に、

「キックがもっと蹴り下ろしが強いだけではなく、蹴り上げがもっと強くなれば、この選手はもっと速く泳げるのに・・・・」と思っていました。

蹴り上げの練習も多く行いました。

しかし、本人は一瞬形は良くなるとしても早くなることはありませんでした。

そして大抵翌日には元に戻っています。


しかし、その選手にとっての悩みの種はキックではなく姿勢だと気づきました。

「キックなんて気にしていない」

「姿勢のことしか頭にない」

ということに気づいたのです。

そんな状況で何を言っても集中して蹴り上げを覚えてくれません。

頭ではコーチがいう事より「姿勢が悪いから遅い」を信じ切っています。


指導とは最も響くタイミングでそれを教えなければなりません。

アップキックを強くしてごらん。
と正解を教えるのは簡単です。
しかし、

正解を与えてしまうと、苦労がないので技術が定着しないのです。

しかしこれが、体が沈むことに悩んでいるタイミング。
足に水がフィットしていないと悩んでいるタイミング。
その選手がキックのことで悩んでいるという、そのタイミングがきました。

実は2年も根気強く待ちました。

「練習を変更して、今からアップキックの技術練習をしよう」

この1つの判断だけで、スムーズにスピードを出せる感覚を得ることができました。


つまり、

正解を与えるのではなく、本人がこれが正解だと気づく機会を作ってあげる。

それが、「指導のタイミング」なのです。

なのでポイントを分けて教える。

足のときは足に集中させる。

腕のときは腕に集中させる。

姿勢のときは姿勢に集中をさせる。

こういった分習法を用いた練習法も大事ですし、

ポイントを伝えるタイミング。

より基礎的な簡単なことをまず伝え、
タイミングが来たら、次のポイントを伝え、
という段階的指導。

この2つをミックスさせることで、
初心者が中級者になり、受給者が上級者になっていくわけです。

クロールが泳げない人にいきなり
クロールのまねをさせて、
クロールっぽいクロールという物の作ることはできます。

しかし、クロールみたいな泳ぎというだけで、
本当の意味でクロールを泳げるようになったわけではありません。

呼吸法もめちゃくちゃであったり、脱力法、グライドテクニックといった、クロールに必要なテクニックというものが習得できていないのです。

「運動学」の世界では目に見える事象のことをモノフォルギーといいます。

完成形のモノフォルギーは作ることができます。

しかし、教科書的なモノフォルギーを作ったからと言って、
本人にその技術が定着するとは限らないわけです。

目に見えることよりも「理解し、定着させることを優先する。」


いきなり完成系を教えるのではなく、
まずは簡単な姿勢で、
関節の曲げ伸ばしを覚え、
それができたら寝る位置を伝え、

それができたら握り方を伝え、などなど。

1つずつ、丁寧に時間をかけて体が覚えていく。

この分習法と、段階的指導をトータルケアラボでは採用をしています。

それは、トータルケアラボを卒業した後も、
学習テクニックとして忘れることがないようにしていただきたいからです。

何か覚えないといけないことがあるときに、

それが仕事であれ、語学であれ、資格試験であれ、趣味であれ

複雑であれば分解して

優先順位をつけて

1つずつ時間をかけて自分の中に定着させていく

「学習法」を覚えていただきたいからです。

自転車の運転を覚えたら、
大人になるまで乗らなくなったとしても、
ある日、自転車に乗ろうとしたときにしっかり運転ができるように、
そのために時間をかけて自転車の乗り方というのを覚えたはずです。

跳び箱もいきなり10段に行くのではなく、

5段、6段、7段と段階的に高さを調節したはずです。

掛け算を初めて覚えるタイミングが、

足し算、引き算を初めて習ってるときに合わせて覚えるのは酷でしょう。

幼稚園生に掛け算、割り算を教えてしまうようなものです。

ぜひ、今日はこの文集法と段階的指導という言葉を覚えていただき、
トータルケアラボだから、丁寧な指導方法をとっているんだということを、
わかっていただけたら嬉しいです。

今日のブログは以上となります。
また、後日お会いしましょう。さようなら。